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2014年11月23日日曜日

日本人の英語力(2009)

http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E5%8A%9B-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8101%E6%96%B0%E6%9B%B8-48-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%BC/dp/4098250489




前半はマーシャ先生が考える日本人が学ぶべき英語とは、というお話。後半は文法や表現についての具体的な例をあげてこういう時はこうしましょうというお話だけれども、ページが少ないこともあってちょっと中途半端な余韻が残る。でも前半の部分はとても楽しく読めたし、やたらネイティブをマネすればいいもんじゃない、ということが再認識できてよかった。


●聖心女子大学とは
日本で最初の新制女子大学のひとつ。1948年創立。1期生には国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子さんなどがいる。美智子皇后陛下も聖心女子大学出身、そして場所は広尾……ということで、今はどうかわかりませんが創立当時は一種のお嬢様学校ですね。マーシャ先生は、

「お嬢様学校」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、英語語力を活かして国際的に活躍する人材を多数輩出している大学

と言っています。
現在、マーシャ先生は聖心女子大学の教授。

wikiで卒業生を見てみると、昔は知識人を輩出していたという感じだけれど、最近の卒業生はアナウンサーばかりという印象です。


マーシャ先生のゼミ室では日本語厳禁。卒論はすべて英語。

Age of Propaganda: The Everyday Use and Abuse of Persuasion
著者:A. Pratkanis & E. Aronson



●ネイティブの英語をマネすればいいってもんじゃない!
ネイティブの話す英語に憧れて、それを目指している人も多いけれど、それは決して品のある英語ではない。日本語も話し方や口調、表現などで話し手の気持ちが伝わるけれど、英語だってもちろん一緒。母語でない言語で話すのに、ネイティブの口調で話したら、英語を母語とする人にとってはとても失礼に聞こえるよね、ってこと。

そうですね。それは、そうですね。よーーーく、わかります。
ただ、英語を母語としない人にとってはどれが日常的にOKな口調や表現で、どれがNGなのかの見分けがつかないのかもしれないよね。

私だってfour letter wordsがよろしくない言葉だってことは分かっているけれど、でもアメリカで過ごした約2年間に聞いたネイティブの会話を思い出すと、four letter wordsが頻繁に使われすぎていて、「これを日常と呼ばずして何を呼ぶ!?」的な感じあったからなあ。難しいところよね。

高校生のときアメリカにいて、まわりの子がWhat a hell!をあまりにも使うので、どんなときにどんな風に使うのかばっちり飲み込んでいた私は、調子に乗って使ってしまったのね。そうしたら、まわりのネイティブが驚く、驚く。私はそれに驚く、驚く。「え? なにがイケナイ?」。

そうしたら、ひとりの女の子が、「What a hell!!は、あまり使わない方がいい。言うならWhat a heck!にしたほうがいい」と教えてくれた。でも私にしてみたら、「だって、みんなは使ってるじゃーん!!」って感じ。だからその微妙なニュアンスはその時は本当にわからなかったよ。マーシャの本にも書いてあったけれど、Oh my God.もあまりよろしくなくて、言うな 



<メモ>
・マイガールのYES
YeahYesの使いわけのくだりで登場。ベータは、お父さんに返事をするときはYeahではなくYesを使っているということに注目。目上の人にYeahではなくYesで。

・Writingの自己チェックリスト
自分が書いた英語を下記の点でもう一度見直してみるとよい。
・時制は合っているか(過去のことをきちんと過去形にしているか)
・三単現のsをつけているか
・数えられる名詞のときに、冠詞a/anが抜けていたり、複数形になっていなかったりしないか
・代名詞の数はあっているか(themのところをitとしていないか)


New York Times のキッズセクションおすすめの読むマテリアル)
 

聖心の中学ではなんて難しい英語を扱うんだ
(引用)
中学校では、英語の文章を一文ずつ読み解いていく、いわゆる英文解釈のようなことはあまり取り入れてられなかったようです。その代わり、美しい英語の文章を日本語に訳す練習はたくさん行っていました。その一部をご紹介しましょう。 Whatever station we are in, we can be useful and do a little good, and add to the cheerfulness and happiness.(どんな地位にあろうとも、私たちは、役立つことができるし、少しのよいことをすることができ、そしてほかの人たちの明るさや幸福を増やすことができる)


・ちょっとLevelが高めの教材が望ましい
(やる気のある人とない人の差)

最近の若者はメンタルが弱い
どこに書いてあったか忘れたけれど、先日一緒にお食事をしたとある大学の教授からも同じようなことを聞いたので、妙に気になった。最近の若者本当に大大丈夫なのかね。うちの会社に来ても日本人の学生の子はすぐにやめてしまう。それもさぼりがちになり→電話もせずに休む→体調が悪いため仕事を休めさせてほしいの流ればかり。その代り中国人や韓国人のアルバイトの子たちは本当に優秀でおどろく。普通に日本語はペラペラよ。


BayFMで土曜日にラジオに出演しているのね。 聞いてみよう。












2014年10月24日金曜日

軽井沢の全寮制インターナショナルスクール ISAC


今、たまたまつけたテレビでやっていたガンブリア宮殿の本日の特集がこれだった。

スピーカーはISAC設立者の小林りん氏。現在39歳(若い!)。

途中から見たので、前半のどのようにこの学校を立ち上げたのか、立ち上げに至った思いはなんだったのかは最後までわからなかったが、放送終了後HPで見てみたらこのようにあった。


事態が変化したのは、2010年夏にサマースクールを開催してからだった。企業の保養施設を借り、世界の名門校から優秀な先生を招き、<リーダーシップ教育>を実践。それは、①多様な価値観を受け入れ、活かす力②課題を発見する力③失敗を恐れず行動する力 の3つの力を育むという、かつてない授業内容だった。授業の根底にあるのは「デザイン思考」という考え方だ。小規模ながらも、小林の考える新しい教育を現実にしてみせたことで、協力者も資金も集まり始めたのだった。20148月、入学式に訪れた父兄たちも小林に共感。学校づくりに自ら参加したいと申し出る。一方、小林はこの間、乳飲み子を抱え、家庭との両立が問題になったこともあった。しかし、今では夫も応援している。小林りんには、正面から問題に取り組み、周囲の共感を得て動かすリーダシップ能力が備わっている!!(ガンブリア宮殿HPより)


この中で一番ひっかかったのは「デザイン思考」という考え方。
自分の課題を見つける力、それに向き合い解決する力、それをやり遂げるための計画力、こういったことがここで言われている「デザイン」なんだよね。
すっごい当たり前風に要約すると、「目標を持って、それをやり遂げる」ってことなんだと思うんだけど、それが学校で学べるなんてすごいよね!
私なんかの時代にはそんな、リーダーとか、問題解決力とか、そもそも自分で課題をつくる能力なんて一度も大きく取り上げられたことなんてなかったと思うよ。

やっぱり番組で小林さんが言っていたように、時代が違う。
自分の子どもが生活をする時代は「次世代」なんだって意識しないといけないんだって思った。

実は、今日、仕事ですごいビッグな座談会があって、英語教育会のドンが集まるみたいなところに参加しました。それぞれの先生がたはもちろん英語に熱心なのだけれど、それ以上に教育全般についても問題意識をとても持っている先生がたばかりで、「あ、教育者ってこういう人たちなんだな」って思っていたところだったの。

私も先生に憧れがあって、いつか自分でも教えてみたいと思うけれど、編集の仕事もあるし、とてもじゃないけれど今はそれどころじゃなかな。でもいつかきっと。
って、この「きっと」と先延ばしにしているところがもう「デザイン思考」じゃないんだよね。「風まかせ思考」だよね。うーん、これじゃいかんね。

で、私もISACのことを番組で知って、すごい興味を持ってしまったのだけれど、私自身も英語にこだわっているんじゃないんだなっていうのが、再認識できた。理科でも、算数でもいいから、子どもたちの可能性を広げられることをなんでもいいから手伝えたらいいなって思っている自分がいて、びっくりしたー。

あまりまとまりのない話になっちゃったけど、どこかに書いておかないとISACのことも小林りんさんのことも忘れてしまうのが怖くて、ちゃちゃっと書きました。
よしこれで記録として残るね。















この本のことも思い出した。



教育関連で起業家という意味では非常によかったよ、コレ。
kindle版だそうよ)





2014年4月24日木曜日

英語の時間 激減→MOOCにチャレンジ



4月から私が仕事に復帰して、子どもと過ごす時間が劇的に減ってしまった! 話ができるのは朝ご飯のときと、保育園に連れていときだけ。父親は無職(休職中)のくせに朝保育園に連れていってくれないので私が朝8時半に送りとどけて、夕方は私の母が子どもを迎えに行って、夜8時すぎに父親が実家に子どもを迎えに行くというスケジュール。私の会社は7時が定時だけれど、7時から会議が平気で始まるし全然帰れる雰囲気じゃない。私はその常識を覆すべく、積極的に7時に退社するように心がけているけれど、なんせ通勤時間が1時間半もかかるので、どんなに頑張っても家に着くのは9時前後。子どもはもうお風呂に入ってすやすや寝ている。

私の母親も旦那も英語はゼロなので、子どもが英語に接する時間がなくなっちゃったよー。悲しい。せっかく英語の音が聞き取れているんだなってわかってきたのに。でも、だからって諦めません! 土日は一緒にいられるんだし、子どもがもう少し大きくなって父親の仕事が見つかったら通勤時間の少ない仕事に変えて、もっと子どもと一緒にいられる時間を増やすんだ。

ありがたいことに英語の絵本は本当に気に入ってくれているみたいで、一生懸命お話を聞いてくれるので、これからも英語絵本を読む習慣は続けよう。近所にもっとネイティブと触れ合える場があるといいんだけど、それがなかなかないんだよね。なければ自分で作ればいいとも思うんだけど、そのためには教育の基本的なこととかもっとちゃんと学ばないとだめだよね。とりあえずMOOCでこんな講座を見つけたので受講してみようかなと思ってるんだ。アメリカの小学生の授業っておもしろそうじゃない? 



私は別に先生ではないけれど、アメリカの小学校がどんな授業をしていて、日本とどんな風に違うのか、教室ではどんな会話がされているのかとかすごく気になる。


だから、私の英語力キープのためにもやってみようと思っています。きっと仕事に時間がとられてうまくいかなくなるかもしれないけど、やってみなきゃ始まらないので、ね。やってみよう。

2014年3月26日水曜日

ことばの発達の謎を解く 今井むつみ著(2013年)




新宿から電車で90分ほどかけて自宅に帰るのに本が無性に読みたくなって、ルミネの本屋に寄ったら、面出しされていた今井むつみ先生の名前が目に飛び込んできて、即購入。去年、玉川大学の赤ちゃんラボに参加したことがあって、そのラボの一員に今井先生の名前があったのを覚えてたのよね。

今井むつみ先生研究室HP

玉川赤ちゃんラボ

 ここ数週間ずっとフィクションの小説漬けだったから、言語学についての研究や学問についての文章を読むのはとても新鮮で面白かった。私が直接興味があるのは、子どもが言語を学ぶ過程と、その中でも2言語を同時に学ぶ(つまりバイリンガル)ことについてなんだけど、いろんな記事や文献を読んでいると、面白い研究をしている先生や学者の人たちを知るようになって、あちこち寄り道しちゃうんだよね。でもこの寄り道がすごく好きです。
 この今井先生の本も外国語を学ぶことに直結した内容ではないけれど、今まで知らなかったような視点でことばを学ぶことについて触れることができて、非常によかった。


読みながらdog-earしたところをメモ。

・文章の区切りを知るということ。

・英語は発音の正確さよりもイントネーション、アクセントが大切=シェラトン

・目が見えない、音が聞こえない、ヘレン・ケラーの話
ことばは伝えあうためのものだ、ということに気づく。

・子どもがことばを理解するステップ
1)モノに名前がある、2)動作に名前がある(その他に色・模様・気持ちなど)

・「同じ」の基準について――「数えられる」「数えられない」の区別

・メンタルレキシコン「心の辞書」
私たちは記憶の中に何万語もの単語を持っていて、人の話を理解し、文章を読み、自分の言いたいことを表現することができます。

※メンタルレキシコンと言えば門田修平先生。
この本、途中まで読んでそのままになってる……。もう一度読み直そう。



・「アゲル」「モラウ」「クレル」 日本語って難しい!
I gave you a present. プレゼントをあなたにアゲル
He gave me a present. 彼が私にプレゼントをクレタ
I got a present from grandpa. おじいちゃんからプレゼントをモラッタ
英語では全部giveなのに!

また、日本語ではおんぶと抱っこを言い分けるのに対し、英語はcarry
Carry me on your back. / Carry me in your arm. / Carry me.
「背中で抱っこ」という表現。(俵万智さんの『ちいさな言葉』より)


・動詞の役割を果たすオノマトペ
「エイってする」「ポーンってする」「チョキチョキする」
確かに! オノマトペって動作や感情を音で表現したものなんだということは理解していたけれど、それを動詞として使っているという感覚はなかったから新発見。さらに、それが子どもが動詞の使い方をマスターするのにかなり重要な役割を果たしているんだなとわかりました。
そもそも「オノマトペ」とは、フランス語で擬声語を意味する言葉だそう。それすら知らなかった!

そういえば、オムツをゴミ箱に捨てに行くときに子どもが自分で行きたがるので、私も最近よくLet’s go ポイ.「ポイしに行こう!」って言ってる。


・「アナロジー」とは
日本語では類推。すでに知っていることを使って、それと似ている未知のことについて推測するという推論。キーになるのは「似ている」ということ。
例)手を怪我した子どもに「手当てしてあげるね」と言ったら、「違うよ。足当てだよ」と。

英語でもerをつけると人を表すんだというアナロジーが働いて、cookerと言うことばを作る子どもがいたり。
 子どもがつくる新しいことば。うちの子がどんなことばを創造してくれるのか今から楽しみだ。


・大人の外国語の学習――「本当に知っている」とは?
wearという単語を日本語に訳すと「着る」。だけれども英語で「洋服を着る」と言うときにはwearではなくput onを使う。確かに。この本を読んでハッとしたよ。子どもに服を着なさいというときはGet dressed. / Put your jacket on.などと言うので、wearは使ってないね。解説によると、

日本語では「衣類を身につける」ことを表す動詞は、身につけるモノによって言いわけます。例えば着る(上着、ドレスなど)、履く(ズボン、靴など)、かぶる(帽子)、かける(眼鏡)、する・つける(アクセサリー、香水)。一方、英語ではヘアスタイルや「香水をまとう」という意味でもwearを使います。

そうだよねー。ふむふむ。こういうところに気が付けるところがさすがだよね。普段使っていることばについて、ちょっとだけ立ち止まって考えてみる、こういう作業がなかなか難しいんだよね~。

つまりひとつの言葉の境界線は言語によって異なるのね。それを感覚的に身につけて、使うことができるようになるということも含めて外国語の学習なのね。赤ちゃんの場合は、この境界線が自然にできているけれど、大人が学習する場合にはとくに、この境界線の違いに注意を向けることが重要。


・保育士さんと子どもの会話の研究――数学能力についての調査@アメリカ
終章(p.230)に興味深い研究の話がありました。保育士さんの数学語りの量と質が、子どもの数学能力に影響するという内容です。終章なのでちらっと触れているだけですが、もうちょっと具体的に知りたいと思い調べてみたら、この研究の論文がネットにありました。(参考文献のところにちゃんと書いてあったので、すぐ見つかった)

英語で論文読むのって結構疲れるんだよね。でも読んでみよう。


・やっと「認知科学」の理解の仕方がわかった
言語学とか社会学っていうのは漠然とどういう学問なのかわかるような気がするんだけど、認知言語学とか認知科学っていまいちつかみどころがなくて、よくわかっていなかったんです。でも今井さんの終章を呼んで「なるほど、そういうことね」と理解しました。

認知科学は人間を理解するための総合科学です。人はいかに考え、問題を解決し、意思決定をし、学習し、記憶するか。外から目で見ることのできない人の心の働きを科学的に明らかにしようとする学問です。(中略)そこで私は「言語」に焦点を当て、人が言語を学習する過程と、言語を理解して使う時の心と脳の仕組みを科学的に明らかにし、そこから人間全体を理解したいと思い研究を続けています。

・おすすめの本の中から読んでみたいと思ったものメモ




そして今井むつみ先生の新刊は早速ゲットしました。小説サイズのつくりなんだけど、1470円って結構高いよね。でもそれだけ内容があるんだと思います。同じジャンルの本を続けて読めないないので、しばらくしてから読みます。(こうやって積読本になっていくんだけどね……)。