谷川俊太郎・ぶん ,元永 定正
なんなんだろーねー、この響きのヒミツは。
最初は「もこ」の音に反応してよろこんでいたのだけれど、お気に入りの響きが「もこ」→「にょき」→「ぷぅ」→「ぎらぎら」と変化していて今は「ぎらぎら」のページがピークみたい。ピークのページが来るとよろこんで、にこにこしながら読み手(私)の顔を見ようと振り向くの。「そうそう、このページを待っていました!」みたいな顔して(笑)。なんか読んでる私も笑っちゃう。
この絵本を初めて手にしたときに思ったんだけれど、こうやってことばを使って音遊び(この絵本もオノマトペのくくりでいいのかな)ができる言語って、世界中で日本語のほかにあるのかな。日本語オリジナルだよね、きっと。英語の絵本と並行して日本語の絵本を読んでいると、ほんと日本のことばのクオリティの高さに驚かされるの。オノマトペ、万歳だよ。オノマトペ、すごいよ! 子ども(特に赤ちゃん)とコミュニケーションをとるときにオノマトペって一番使うよね。『赤ちゃんはコトバをどのように習得するか誕生から2歳まで』 B・ド・ボワソン=バルディ著にも、日本の母親はオノマトペを使って子どもと話す傾向があるって書いてあったし。
NHKEテレの『にほんごであそぼ』『ピタゴラスイッチ』なんかもよく見るのだけれど、『にほんごであそぼ』はもちろんだけれど、『ピタゴラ』のほうも日本語だから成り立つコンテンツの割合が高いような気がするよ。(パタトカクシーとかね)
知人に、子どもをふたりインターナショナルスクールで育てて、ふたりともアメリカの大学に進学させたという人がいるのだけれど、彼女の話を聞いていると、インターという環境だからこそ母語(日本語)の素地をしっかりさせておかないとダメって言ってました。それにはいろーんな理由があるのだけれど、外国語を勉強する上でも国際社会で生活していく上でも「基盤」(つまり自分のアイデンティティとしての母語の確立)を作り上げておかないと、価値観が定まらずフラフラになっちゃうんですよね。私も最初は自分の子どもを完全なバイリンガルにするのが理想だったけれど、この人の話を聞いて、日本人としてのコアな部分はやっぱりちゃんと持っていてほしいなと思うようになりました。
だから、日本語の絵本もちゃんと読んであげたいと思います。
特に『もこ もこもこ』はこどもの想像力と情緒をはぐくむのに最適な絵本だと思っています。英語の絵本でこのタイプの絵本に私はまだ出会ったことはありません。(ドクタースースとかもちょっと違うしね)
谷川俊太郎さん、すごい! オノマトペ、すごい!(ピタとゴラ風)
<おまけ>
谷川俊太郎さんは現在82歳。Officialサイトがあって、見てみたら、なんかいろいろおもしろいことにチャレンジしていてすっごくいいなとおもいました。動画を作ってみたり、写真にチャレンジしたり、詩集をメルマガじゃなくて郵送で送るこころみをしてみたり……。ツイッターもあるんだよ。今までは絵本の作家さんとしてのイメージしかなかったけれど、いい意味で谷川さんのイメージがくずれて、これからもっと追っかけようと思います。
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