2015年4月4日土曜日

私小説   水村美苗著 1995年に小説単行本化



バイリンガルニュースのマミちゃんのコラムで、マミちゃんが「この本は格別」と紹介していたので気になって読んでみた。バイリンガル小説って紹介されていたけれど、本を読み始めるまでそれがどういう意味なのかわからなかった。本の正式タイトルは『私小説 from left to right』。この名のとおり、文章は左から右へ、つまり英文のように横書きで書かれている。そして本文の基本は日本語だが、NYで暮らしている日本語と英語のバイリンガル姉妹(著者は妹)の会話は日本語と英語のミックスで書かれている。こういう時は英語になるんだな、という感覚が読み取れておもしろい。さらに、ひとりのセリフなのに、ひとつのことを伝えるのに日本語と英語では人柄がずいぶんと変わって読み取れるところも興味深いと思った。

 「格別な一冊」まではいかなかったが、私も1517歳の約2年間をアメリカの公立高校で過ごした人間としては、いろいろと重なる感情や体験が蘇ってきて、忘れていた記憶を取り戻したような感覚になった。

 最も共感したのは、著者が中学生のときに受けた英語のクラスの話。担任はMr. Keith。アメリカには英語を母語としない生徒も多くいるため、英語が苦手な生徒のためのクラスというのがほぼ必ず用意されている。ネイティブでも英語力が一定の基準に達していないとこのクラスに送られる。著者は、この通称dumb classで作文を書き、それが担任のKeith先生の目にとまった。彼はとても美苗の作文をほめ、彼女に上級英語クラス(honor class)も並行して受講するようにすすめる。この時の作文のお題は、なんでもいいから好きなものを取り上げそれについて書くこと。他の生徒はモノを取り上げたのに対し、美苗だけは抽象的な「秋」というテーマをとりあげた。それも田んぼや稲穂が登場する日本の秋だ。Mr. Keithにとってこの話題がとても新鮮だったということもあるかもしれないが、美苗が放課後の時間、自宅ではほとんど日本の小説を読んでいるということを知って、何らかの希望と確信を抱いたのだろう。そうして送られた上級クラスでは、
Robert Graves The Greek Myths
HomerIliadOdyssey
Shakespeare
などが取り上げられたらしい。さらに美苗に日本語の詩を朗読させ、haikuを書いたりもしたらしい。(本文中でもhaikuは英字で書かれていた。英語になってるんだね)

このMr. Keithが美苗に言った言葉。

Don’t forget your Japanese.

これが私がこの本でいちばん感動した一文。

母語の力は大切にしなくてはならない。そして私も日本語は世界中の中でもきっととてもオリジナルであると同時に優れた言語でもあると思う。私も自分の母語が日本語で本当によかったと思うことがたびたびある。英語は勉強でどうにかなっているけれど、日本語を第二言語として学ぶなんて、私にはとうてい無理だろう。

さて、このエピソードが私自身のアメリカの高校生活とどのように結びついたかというと、私の場合はMs. Blackが登場することになる。Ms. Blackは「黒」という色の名前の美術の先生だ。私は英語がまったく話せない状態で、親の判断でアメリカの公立高校に送り込まれた。学年はsophomore(日本の高校1年生にあたる)で、どの授業をとったらよいか、学期が始まる前にカウンセラーと相談して授業の時間割を決めた。私も英語が話せなかったので、英語の基礎を学ぶそれこそdumb classをひとつ、そしてAmerican Literature(アメリカ文学)、American History(アメリカの歴史)を強制的に受講させられた。それ以外は自由に選ばせてくれたが、英語をなるべく使いたくないので、水泳や美術のクラスを多く取った。

アメリカの授業は日本では受けたことのないようなさまざまなカリキュラムがあって今思えば本当に恵まれていたと思う。中でも美術のクラスの種類の多さには驚いた。思い出せるだけでもPainting(描画), Craft(工芸), Ceramic(陶芸), Design(デザイン)があり、このほかにもあと2種類くらいあった気がする。私が最初にとったPaintingのクラスの担任がMs. Blackだ。最初は鉛筆一本で書くデッサンからはじまり、そのデッサンした絵をさまざまな方法でアレンジした作品を作っていく。中でも面白かったのが、四方1mくらいある大きな紙に人物を3人描く。そして塗り絵をするのだが、使っていいのはクレヨン5色のみ。決まった5色の中から色を混ぜて新しい色を作るのは自由。限定された色だけで、あれほど表情豊かな絵が描けるとは思っていなかったので、自分でも完成作品を見ておどろいた。この作品はアメリカのステイ先に置いてきてしまったので、今頃は捨てられているだろう。

 このMs. Blackはなぜか私の作品を非常に気に入ってくれて、よく褒めてくれた。おそらくだが、ほかの生徒が描く作品にくらべて日本人の私が描いた絵は線が几帳面なほどに細かく、人物の髪や洋服の模様などをバカ丁寧に忠実に書き写していたからだと思う。他の生徒は、簡略することを心得ており、なるべくはやく授業を終えたい一心で少しでも手間のかかることは避けたいというような風潮があった。そんなクラスのムードも読み取れなかった私は、ただひたすら丁寧に見たありのままを描いていた。それがMs. Blackの心を打ったのか、夏休みに入る前、私は彼女のデスクに呼ばれこう言われた。

I want your drawing to be in my exhibit. And I also want your drawing to be in a Denver Art competition.

私の作品を彼女の生徒の優秀な作品を集めた展示会に出したい。そしてデンバー地域のアートコンテストに出したい、と。
私が日本からの留学生だと知っていた彼女は、「だから夏休みが明けたら必ずこの教室に戻ってきて作品を最後まで仕上げてね」と言い足した。しかし、私はこの夏休みにホームシックで日本に戻ってしまった。

水村さんのMr. Keithの話を読むまですっかりこんな話は忘れていたのだが、日本では美術音痴だと思われていた私の作品がこんなにまで褒められたことは後にも先にもこの時だけだろう。そして、この夏休みにMs. Blackのところに戻っていたら、私は今ごろまったくちがう人生を送っていたかもしれない。

Ms. Blackは元気にしているだろうか。

今年の6月に久しぶりにDenverに行くので、私の通った高校が今はどうなっているのかちょっと見てこようと思う。私の作品もどこかに残っていないかなあ。

2015年2月8日日曜日

仕事の愚痴


 ああああ、もう今担当している英語の書籍の先生・・・いつもそうなんだけど、とにかく自分で文章を書かないの。それですんごい印税もらってるのよ。じゃあ誰が書いてるの?ってそれは私、編集者ですよ。企画というか大まかな案はもちろん先生が持ちかけてくるんだけど、それを書籍に落とすまでの間に、きちんとした原稿をいっさい書かないってどういうことなの?全部こっちか案を下書きして持っていって、それをブラシュアップする形でしか仕事ができないのよ。そんでもっていつもギリギリになって、いままで作り上げてきた原稿やレイアウトや表紙のイメージとかについて、「あらためてゆっくり見てるんだけどココはやっぱりこの方がいい」とか平気で言ってくるわけ。あああああ、こっちは締切に間に合わせるために必死で先生になんども確認して作り上げてきたのに、もうやってらんないよね!! どっかに吐き出さないとやり切れなかったのでここで言ってしまいました。少しスッキリしたので、とにかく早く今担当しているこの本が終わるように祈ります。

2015年1月15日木曜日

ことばの力学 ―応用言語学への招待― 白井恭弘(2013)





年末に読みました。
白井先生はアメリカで言語学専攻の学生に「言語学の応用」という授業をしているそうで、ぜひその授業の内容を本や動画にしてほしいなと思います。

この本でドッグイヤーしたところをメモ

p52
多くの研究の結果、認知心理学の分野では、バイリンガル児のほうがモノリンガル児よりも認知的にすぐれている、ということが定説になっている。…ニューヨークタイムズ紙(2012317日)は「なぜバイリンガルのほうが賢いか(Why bilinguals are smarter)」という記事を掲載しました。

p57
ジム・カミンズの「読み書きの能力(リテラシー)も含めて、思考力と関係の深い言語能力は共有される」という考え方。脳の処理能力に限界があると考えれば、二つの言語を高いレベルであやつるということは、非常に難しいはずです。…これが可能になるのには、脳が二つの言語を別々に記憶、処理しているのではなく、二つの言語に共通する部分は共有しているため、と考えるのがカミンズの二言語基底共有説(もしくは、二言語相互依存説)です。そして主として共有されるのは、日常会話能力(BICS=Basic Interpersonal Communicative Skills)ではなく、教科など、複雑な内容を扱う学習言語能力(CALP=Cognitive Academic Language Proficiency)のほうです。バイリンガルといっても、ただ日常会話ができるレベルと、複雑な内容を議論したり書いたりというレベルとでは、話が違うのです。

p.60 「ダブルリミテッドの危険性」
…第二言語の日常会話能力だけ発達して、複雑な会話ができないのは、均衡バイリンガルとは言えません。ひどい場合には、母語でも第二言語でも学習言語能力が発達しないまま終わってしまうケースも考えられるのです。これをダブルリミテッドと呼ぶこともあります。


p.64 「言語学の応用としての『応用言語学』」
…外国語教育に言語学が本格的に応用されたのは、主に第二次世界大戦からその後の冷戦時代で、「戦争」「冷戦」という現実がきっかけでした。つまり、敵国の情報を効率よく集めるためです。…戦時下に言語学は暗号解読のために利用されました。…さて、第二次世界大戦からその後の冷戦時代の言語学の主流は、構造言語学でした。…そこで外国語教育のために、当時心理学で主流だった行動主義心理学の「習慣形成」学習理論を利用して、オーディオリンガル教授法という方法が提案されました。…つまり「意味を無視してもできてしまうドリル」を大量にやらせたことです。現在では意味を理解することが言語習得のカギだということがわかっています。

p.67  「効率のよい外国語学習とは」
…言語習得の一番大変なところは、リアルタイムでどんどん流れてくる音を、すぐさま意味として理解すること、そして、頭の中で言いたいと思っている内容を、音声言語としてものすごいスピードで口に出さなければならないことです。…意味を無視したドリルでは、それはできるようになりません。…ではどうすればそれができるようになるか。第二言語習得研究が出した答えは、「インプットを聞いて意味を理解すること」です。…意味を音声で聞いて理解するプロセスなしに言語習得は起こらないというのが、第二言語習得研究の現在までの結論です。

p.112
日本語には、さらに、相手が何を思っているかを表す「文法形式」があります。「ね」「よ」「かな」などの終助詞がそれです。…これらの表現は子どもが小さいときから非常によく使われるので、日本人の子どもは「心の理論」の発達が早いのではないかと考えられました。ドイツ語にはこのような文法形式がないので、ドイツ人と日本人の三歳児を比較して前記の「誤った信念課題」を使って実験したところ、日本人の子どもは、使われた言語表現に基づいて登場人物の思っていることをある程度推測できるのに対して、ドイツ人の子どもはそれができないという結果がでました。

→うちの18か月児は最近よく「ね」を使うな。「おいしいね」「きれいだね」って。それからおもしろいなと思っているのは「行ってみる」という表現。「~てみる」というのは私が「行ってみる?」と聞くからその反復で覚えちゃったんだよね、きっと。さらに、「どうかな~?」「なんだろう?」を頻繁に使っているのが印象的。これも私がたくさん言ってるんだろうな。


p.122
…このように私たちは経験にもとづいて、あるものとあるものを結びつけるという認知活動を常に行っています。そのような認知構造の中で不都合なものを「ステレオタイプ」とか「先入観」と呼んでいるのです。…ステレオタイプの怖いところは知らないうちに、予断を持って判断をしてしまうところです。

→「ステレオタイプ」ってよく聞く言葉なんだけど、まだ自分のボキャブラリとして使いこなせるところまでいってなかったんだけど、白井先生のこの説明の前後を読んで、よくわかりました。今まででいちばんよくわかったかも

p.124
…仕事上の成功を男性は自分の手柄のように振る舞うのに対し、女性はみんなの手柄だというような言動をする傾向があるのです。そうすると上司は、男性の方を昇進や昇級で評価しがちになります。

くやしいかな、でもこれは相当な現実だと思う。私の会社なんて評価を下すべく社長が女性なのに、女性の社員(=私)の成果はみんなの成果だと思い、男性の成果は(個人がものすごいアピールするから)男性の手柄として認められてしまっている。本当に上司が部下の性格やスキルをしっかり見る力がないと、納得のいく評価はできないと思う。現実問題、それがしっかりできている上司なんて90%もいないんじゃない!?(私の勘だけど)


p.165
法律専門知識のない私たち一般人は、それだけで、不利な状況におかれます。そうならないよう、少なくとも法に関わる言語を一般の人にもわかりやすいものにし、無実の人が犯人にされることのない言語使用がなされることを保障することが必要でしょう。

そして現実的な具体案として、
1)法律関係の言語を簡単にする
2)目撃証言の収集方法の記録

にもっと注力すべきだと白井先生は述べています。

→法律用語に関しては私もまったく同意見。甲とか乙とかただ読みにくいだけだし、事態を混乱させているだけだし、法は法律家という一定の人にしか操ることができないものだというのは本当におかしいと思う。もっとわかりやすく、だれでも簡単に理解し、読めるものにすべきです。

p.171
…アメリカでディスレクシアが多いのは、英語の綴りと発音の関係が非常に複雑なためだと言う説もあります。実際、英語より規則性の高い言語を使う国民は、ディスレクシアの率が少なくなっています。

→最近英語のフォニックスについて調べたり、話を聞いたりする機会が増えているんだけど、英語の綴りって本当に複雑! それに比べるの日本語の1文字1音ってとてもシンプルでわかりやすいなあって思う。ディスレクシアって本当に多いんだよね。ハリウッドで活躍している著名人にも多くて、ぱっと思いつくだけでも、キーラ・ナイトレイ、トム・クルーズ、スピルバーグ監督などがいる。

p.179
自閉症の少女。カナダのカーリー・フライシュマン。YouTubeにいろいろな動画をアップしている。カーリーのwebsite  

p.187
アメリカのコメディ番組「ビッグバンセオリー」ではSiri (iPhoneのソフトウェア) のことが好きになってしまう登場人物が描かれている。

→応用言語学とは関係ありませんが、「ビッグバンセオリー」は気になっていたところだったのでうれしくてメモ。



2015年1月11日日曜日

読み聞かせの効果について New York Timesの記事




親子で読み聞かせをする時間が多いほど、子どもの読書意欲を育てることができるーーということが証明されたらしい(New York Times 2015.1.9) 

バイリンガルの話題とは少しそれるけれど、子どもにgood readerになってほしいと思ったら、0歳から絵本の読み聞かせをするとよいらしいです。スカラスティックによる調査だからきっとしっかりしたリサ―チをしたんじゃないかな。英語もできるようになってほしいけど、日本語でも英語でも「自分から本を読む」子どもには育ってほしい。
英語の読み聞かせはいいよとは聞いていたけれど、実際に効果として何かが証明されるような話はあまり聞いたことがないので、私にとっては意味重大な記事でした。だからメモ。

2015年1月7日水曜日

お気に入りのナーサリーライム動画



『子どもと英語』を読んで、子どもが英語を学ぶうえで歌や絵本って本当に大切なんだなあと思いました。特にライムなどの音遊び(文字あそび)がたくさん使われているナーサリーライムの力ってすごいのね、と今あらためて思い直しているところです。

うちのジン君はThe Wheels on the Busの絵本が好きで、ある日YouTubeの動画でThe Wheels on the Busが流れているものを見つけて、大ファンになってしまいました。私がテレビに接続してあるKindleを触っていると、近くで「バシュ、バシュ見たいの」とアピールしてきます。それもかなりの頻度で。

この動画です。



プレイ時間は約54分。
とても長いのです。もちろんThe Wheels on the Bus以外のナーサリーライムもたくさん入っているのですが、ちょっと長すぎるので私はいつも適当なところで止めます。
とは言っても気が付くと結構先の方まで進んじゃって、私も家事をしながら聞いていていろんな歌を覚えました。

The Wheels on the Busだけで4パターンくらいの歌が入っています。
他にうちの子どもが好きなのは

  • Three Little Kittens
  • Five Little Monkeys Jumping on the Bed (←これがナーサリーライムだって知らなかった)


Three Little Kittens は歌詞に「ミャー、ミャー、ミャー、ミャー You shall have no pie」というところがあって、「ミャー」の部分が耳に残りやすいのと、最後のpieがタイミングよく声に出しやすいのか、pieの部分だけちゃんと合わせて歌っています()
同じメロディでもpieを言うときと言わないときがあるのですが、それってきっとちゃんとpieが出てくるフレーズが分かっているんですよね。つまりyou shall have noのフレーズが聞こえたときだけpieって言っていいっていう感覚が分かっているんだなと思って感心しちゃいました。


2014年12月30日火曜日

子どもと英語 (雑誌)




おすすめです。
私は特に座談会の記事がとても面白いと思います。

座談会「音、文字、読む力……どのように子どもは英語を獲得していくのか」
出席者:アレン玉井光江(青山学院大学教授)
           松香洋子(mpi松香フォニックス会長)
           宮下いづみ(実践女子大学非常勤講師)
           吉田研作(上智大学 言語教育研究センター長)
特別ゲスト:田中茂範(慶應義塾大学教授)






2014年11月23日日曜日

日本人の英語力(2009)

http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%8B%B1%E8%AA%9E%E5%8A%9B-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8101%E6%96%B0%E6%9B%B8-48-%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%83%BC/dp/4098250489




前半はマーシャ先生が考える日本人が学ぶべき英語とは、というお話。後半は文法や表現についての具体的な例をあげてこういう時はこうしましょうというお話だけれども、ページが少ないこともあってちょっと中途半端な余韻が残る。でも前半の部分はとても楽しく読めたし、やたらネイティブをマネすればいいもんじゃない、ということが再認識できてよかった。


●聖心女子大学とは
日本で最初の新制女子大学のひとつ。1948年創立。1期生には国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子さんなどがいる。美智子皇后陛下も聖心女子大学出身、そして場所は広尾……ということで、今はどうかわかりませんが創立当時は一種のお嬢様学校ですね。マーシャ先生は、

「お嬢様学校」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、英語語力を活かして国際的に活躍する人材を多数輩出している大学

と言っています。
現在、マーシャ先生は聖心女子大学の教授。

wikiで卒業生を見てみると、昔は知識人を輩出していたという感じだけれど、最近の卒業生はアナウンサーばかりという印象です。


マーシャ先生のゼミ室では日本語厳禁。卒論はすべて英語。

Age of Propaganda: The Everyday Use and Abuse of Persuasion
著者:A. Pratkanis & E. Aronson



●ネイティブの英語をマネすればいいってもんじゃない!
ネイティブの話す英語に憧れて、それを目指している人も多いけれど、それは決して品のある英語ではない。日本語も話し方や口調、表現などで話し手の気持ちが伝わるけれど、英語だってもちろん一緒。母語でない言語で話すのに、ネイティブの口調で話したら、英語を母語とする人にとってはとても失礼に聞こえるよね、ってこと。

そうですね。それは、そうですね。よーーーく、わかります。
ただ、英語を母語としない人にとってはどれが日常的にOKな口調や表現で、どれがNGなのかの見分けがつかないのかもしれないよね。

私だってfour letter wordsがよろしくない言葉だってことは分かっているけれど、でもアメリカで過ごした約2年間に聞いたネイティブの会話を思い出すと、four letter wordsが頻繁に使われすぎていて、「これを日常と呼ばずして何を呼ぶ!?」的な感じあったからなあ。難しいところよね。

高校生のときアメリカにいて、まわりの子がWhat a hell!をあまりにも使うので、どんなときにどんな風に使うのかばっちり飲み込んでいた私は、調子に乗って使ってしまったのね。そうしたら、まわりのネイティブが驚く、驚く。私はそれに驚く、驚く。「え? なにがイケナイ?」。

そうしたら、ひとりの女の子が、「What a hell!!は、あまり使わない方がいい。言うならWhat a heck!にしたほうがいい」と教えてくれた。でも私にしてみたら、「だって、みんなは使ってるじゃーん!!」って感じ。だからその微妙なニュアンスはその時は本当にわからなかったよ。マーシャの本にも書いてあったけれど、Oh my God.もあまりよろしくなくて、言うな 



<メモ>
・マイガールのYES
YeahYesの使いわけのくだりで登場。ベータは、お父さんに返事をするときはYeahではなくYesを使っているということに注目。目上の人にYeahではなくYesで。

・Writingの自己チェックリスト
自分が書いた英語を下記の点でもう一度見直してみるとよい。
・時制は合っているか(過去のことをきちんと過去形にしているか)
・三単現のsをつけているか
・数えられる名詞のときに、冠詞a/anが抜けていたり、複数形になっていなかったりしないか
・代名詞の数はあっているか(themのところをitとしていないか)


New York Times のキッズセクションおすすめの読むマテリアル)
 

聖心の中学ではなんて難しい英語を扱うんだ
(引用)
中学校では、英語の文章を一文ずつ読み解いていく、いわゆる英文解釈のようなことはあまり取り入れてられなかったようです。その代わり、美しい英語の文章を日本語に訳す練習はたくさん行っていました。その一部をご紹介しましょう。 Whatever station we are in, we can be useful and do a little good, and add to the cheerfulness and happiness.(どんな地位にあろうとも、私たちは、役立つことができるし、少しのよいことをすることができ、そしてほかの人たちの明るさや幸福を増やすことができる)


・ちょっとLevelが高めの教材が望ましい
(やる気のある人とない人の差)

最近の若者はメンタルが弱い
どこに書いてあったか忘れたけれど、先日一緒にお食事をしたとある大学の教授からも同じようなことを聞いたので、妙に気になった。最近の若者本当に大大丈夫なのかね。うちの会社に来ても日本人の学生の子はすぐにやめてしまう。それもさぼりがちになり→電話もせずに休む→体調が悪いため仕事を休めさせてほしいの流ればかり。その代り中国人や韓国人のアルバイトの子たちは本当に優秀でおどろく。普通に日本語はペラペラよ。


BayFMで土曜日にラジオに出演しているのね。 聞いてみよう。